脚本家になりたい人が最初の3か月でやること

週ごとの予定を書いたノートと書きかけの脚本原稿が並ぶ机

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『脚本家になりたい。でも、今日から何をすればいいんだろう』と、気持ちだけが先に走っていませんか。

結論から言うと、最初の3か月は「見る・書き写す・書く・見てもらう」の4つを、週ごとに少しずつ回すのが近道です。

この記事では、そのまま真似できる3か月の行動表と、つまずきやすいところの越え方をお話しします。

目次

脚本家になりたいと思ったら、最初の3か月は「量より型」

先に結論

最初の3か月で目指すのは、長い作品を書くことではありません。脚本の書式(型)を体に入れて、短い1本を書き上げ、誰かに読んでもらうところまで進むことです。

脚本家になりたい気持ちが強いほど、いきなり連続ドラマ1話分の長さに挑戦したくなりますよね。

でも、型を知らないまま長いものを書くと、途中で止まってしまうことが多いんです。

先に短い場面で型を覚えておくと、後で長い作品を書く時もぐっと楽になります。

脚本家という仕事を少しだけ知っておく

脚本家は、ドラマや映画などの脚本を書き、プロデューサーや監督との打ち合わせで内容を詰めながら直していく仕事です。

つまり、書く力と同じくらい「直す力」が大事なんです。

この3か月の行動表に「見てもらう・直す」が入っているのは、そのためです。仕事の全体像は脚本家とは?仕事内容と役割で紹介しています。

始める前にそろえておくもの

準備しておくと続けやすいもの
  • メモ用のノートかスマホのメモ帳を1つに決める
  • 脚本を書くためのパソコンかノートを用意する
  • 週に書く時間をカレンダーに先に入れておく
  • できた週に印を付けるための行動表を印刷しておく

道具は特別なものでなくて大丈夫です。大事なのは、書く時間を先に確保しておくことなんです。

3か月で目指すゴール

時期ゴールの目安
1か月目の終わり柱・ト書き・セリフを迷わず書き分けられる
2か月目の終わりプロットを作り、短い作品を1本書き上げる
3か月目の終わり誰かに読んでもらい、指摘を受けて書き直す

脚本家になる道のり全体を先に知っておきたい方は、脚本家になるには?未経験からデビューまでの道のりもあわせて読んでみてください。

3か月の行動表:見る・書き写す・書く・見てもらう

ここでは、平日に1日30分、週末に2時間ほど使える人を想定した行動表を置いておきます。

忙しい週は半分の量でも大丈夫です。止めずに続けることを大事にしてくださいね。

3か月を見る・書き写す・書く・見てもらうの4段階に分けた行動表の図解
週中心にやること具体的な行動
1〜2週見るドラマや映画を見て、心が動いた場面をメモする
3〜4週書き写す気になった場面を柱・ト書き・セリフに分けて書く
5〜6週書く(短い場面)2人だけの1シーンを毎週1本書く
7〜8週書く(設計)短い作品のプロットを作る
9〜10週書く(1本)プロットをもとに短い作品を書き上げる
11週見てもらう仲間や講座の講師に読んでもらう
12週直す指摘をもとに書き直し、次の目標を決める

この表は、当サイトで「型を覚える順番」に合わせて組んだ目安です。自分の生活に合わせて、週をずらしても構いません。

時間が取りにくい人向けの組み方

平日はほとんど時間が取れない、という方もいますよね。その場合は、やることを平日と週末で分けてみてください。

曜日やることかける時間の目安
平日通勤中や寝る前に、場面のメモやセリフの思いつきを書く1日10分
土曜その週の中心の作業(見る・書き写す・書く)をまとめてやる2時間
日曜行動表に印を付け、次の週にやることを決める15分

この組み方なら、行動表の12週を少し延ばして16週ほどで回すくらいの気持ちで大丈夫です。

1か月目:見て、書き写して、書式を体に入れる

1か月目は、とにかく「見る目」と「書式」を育てる時期です。

『書かなくていいの?』と思うかもしれませんが、実はここで書式に慣れておくと、2か月目からの筆の進み方が変わるんです。

見る時は「なぜ心が動いたか」をメモする

ドラマや映画を見る時は、ただ楽しむだけでなく、心が動いた場面で一時停止してみてください。

そして「何が起きて、誰が何と言ったから、心が動いたのか」を一行でメモします。

見る時のメモの観点
  • その場面はどこで、いつの出来事か
  • 誰と誰がいて、何を言い合ったか
  • セリフではなく動きで伝わったことは何か
  • 次の場面へどうつながったか

メモはこんな形で十分

メモは、きれいに書く必要はありません。例えばこんな一行で十分です。

「夕方の台所。母が娘の弁当箱を洗いながら、学校のことを聞かない。黙っているほうが気持ちが伝わった」

どこで、誰が、何をして、なぜ心が動いたか。この4つが入っていれば、後で書き写す時の手がかりになります。

書き写す時は「型」を意識する

メモした場面を、柱・ト書き・セリフの形に書いてみましょう。

例えば、地方の商店街を舞台にした家族ドラマなら、こんな形です。

部品書き方の例
柱○ 商店街・八百屋の店先(夕)
ト書き父、売れ残ったみかんを箱に戻している。
セリフ娘「それ、明日も出すの?」
セリフ父「味は変わらんからな」

書き写しは、自分の練習用にとどめて公開しないようにしておきましょう。

見る作品はどう選ぶ?

『どの作品を見ればいいの?』と迷ったら、まずは自分が好きなジャンルから選んでください。

好きな作品のほうが、何度も見返す気持ちになれますよね。

慣れてきたら、普段見ないジャンルも1本混ぜてみましょう。家族ドラマばかり見ていた人が群像劇を見ると、場面の切り替え方の違いに気づけたりします。

書式のくわしいルールは、脚本の書き方の基本で紹介しています。

2か月目:短いシーンからプロットを作って書く

2か月目は、いよいよ自分の場面を書き始めます。

ここが大事なところで、最初から長い作品を書こうとしないことがコツなんです。

まずは2人だけの1シーンを書く

最初は「場所は1か所、登場人物は2人、数枚で終わる」という小さな場面から始めてみてください。

例えば「離島の診療所で、本土へ帰る看護師を引き止めたい漁師」のような設定です。

「先生がいないと、この島は困るんだ」
「わかってます。でも、もう決めたんです」

こうした短いやり取りの中で、2人の気持ちのズレを見せる練習をすると、セリフの力がついていきます。

短い作品のプロットを作る

1シーンに慣れたら、いくつかの場面をつないだ短い作品のプロットを作りましょう。

プロットを作る手順
  1. 主人公と、その人が抱えている悩みを1行で書く
  2. 最初の場面と最後の場面を決める
  3. 間に入る場面を3〜5個、カードやメモに書き出す
  4. 場面の順番を並べ替えて、気持ちの変化が伝わるか確かめる
  5. 決まった順番で、柱だけを先に書き並べる

プロットの作り方は、プロット・ハコ書きの書き方でくわしく紹介しています。

書けない日はどうする?

仕事や学校で疲れて、どうしても書けない日もありますよね。

そんな日は、無理に本文を書かなくても大丈夫です。

その代わり、1行だけでもセリフをメモする、柱だけを並べてみる、といった小さな作業をしておきましょう。

「今日はゼロ」の日を作らないことが、3か月続けるコツなんです。

3か月目:誰かに読んでもらい、直す

3か月目は、書き上げた作品を人に読んでもらう時期です。

『人に見せるのは、もう少し上手くなってから』と思う方も多いはずです。

ただ、脚本は人に読まれて初めて弱いところが分かるものなんです。

よくある失敗
  • 自分一人で何度も読み返して、直す場所が見つからない
  • 感想を「面白かった」だけで終わらせてしまう
  • 指摘を受けて、全部を一度に直そうとして止まる

読んでもらう時の聞き方

書いた脚本を人に読んでもらう時の聞き方と直し方をまとめた図解

読んでもらったら、「どこで退屈したか」「どのセリフが印象に残ったか」の2つを聞いてみてください。

直す時は、指摘を全部受け入れる必要はありません。何人かが同じ場所を挙げたら、そこから直すと進めやすいです。

直す時の順番

書き直しの進め方
  1. 指摘をすべて書き出し、同じ場所への指摘をまとめる
  2. 話の流れに関わる大きな直しから手をつける
  3. 次に、長すぎるト書きや説明のセリフを削る
  4. 最後に、言葉づかいや言い回しを整える
  5. 直した版を声に出して読み、引っかかる所がないか確かめる

細かい言い回しから直し始めると、後で場面ごと削ることになって手間が増えがちです。大きいところから直していきましょう。

読んでもらう相手の選び方

読んでもらう相手によって、もらえる感想の種類も変わります。

相手良いところ気をつけること
同じく書いている仲間気軽に見せ合える感想が好みに寄りやすい
家族や友達見る側の素直な反応が分かる書式の話は伝わりにくい
講座やスクールの講師書き方の弱点を具体的に指摘してもらえる開講時期や受講形式を確かめる

独学で進める時のコツは、脚本家は独学でなれる?でまとめています。

書いた脚本をプロに添削してもらうと、自分では気づけない直し方が見えてきます。

独学で行き詰まったら、プロの添削を受けられる講座を比べてみると、次の一歩が見えやすくなりますよ。

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3か月の後に進む道

3か月で短い1本を書き上げたら、次は応募できる長さの作品に挑戦する段階です。

コンクールは規定の枚数や書式が回によって変わるので、応募したい賞の最新の募集要項を読むところから始めましょう。

選び方はシナリオコンクールの選び方でまとめています。

脚本家になりたい人のよくある相談

ここでは、脚本家になりたい人が気にしている相談を、内容を要約してお答えします。

相談1:「天才」と言われる脚本家を見て、自分には才能がないと感じる

人気の脚本家が「天才」と言われているのを見ると、比べて落ち込みますよね。

ただ、画面に出ている脚本は、打ち合わせと直しを重ねた完成版です。

3か月前の自分と比べて、書ける場面が増えていれば、それは確かに前に進んでいます。

相談3:3か月続けても、上達した気がしない

最初の頃は、自分の成長に気づきにくいものですよね。

そんな時は、1か月目に書き写したメモと、3か月目に書いた自分の脚本を並べて読んでみてください。

柱やト書きを迷わず書けていたら、それは型が身についた証拠です。

相談2:脚本家なりたいけど、別の仕事をしながらでも目指せる?

目指せます。脚本家になるための必須の資格はなく、お笑いや演劇など別の仕事から脚本を書き始める人もいます。

例えば会社員で平日は1時間しか取れない場合でも、平日はメモとプロット、週末に本文と分ければ、この行動表は回せます。

まずは今の生活の中で、週に何時間書けるかを決めるところから始めてみてください。

相談への答え

才能を気にするより、行動表のどこまで進んだかを見るほうが気持ちが楽になります。1週ずつ、できたことに印を付けていきましょう。

よくある質問

脚本家になりたい時、最初に何をすればいいですか?

好きなドラマや映画の心が動いた場面をメモし、柱・ト書き・セリフの形に書いてみることから始めると進めやすいです。

1日にどれくらい時間を取ればいいですか?

平日に30分、週末に2時間ほどが一つの目安です。忙しい週は量を減らしても、止めずに続けることを大事にしてください。

3か月でコンクールに応募できますか?

応募できる長さの作品を書き上げるには、もう少し時間がかかることもあります。最初の3か月は短い作品を1本仕上げ、その次の目標として応募を考えると無理がありません。

脚本家になりたい気持ちを、周りに言ったほうがいいですか?

無理に言う必要はありません。ただ、読んでくれる仲間が一人いると続けやすくなるので、書いたものを見せられる相手を一人見つけておくと安心です。

書いた脚本をネットに公開してもいいですか?

自分のオリジナル作品なら公開もできますが、コンクールでは未発表の作品を条件にしていることがあります。応募予定の作品は、募集要項を確かめてから判断しましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 最初の3か月は「量より型」で、短い1本を書き上げることを目指す
  • 1か月目は見て書き写し、書式を体に入れる
  • 2か月目は2人の1シーンから始め、プロットを作って書く
  • 3か月目は人に読んでもらい、指摘をもとに直す
  • 行き詰まったら、添削を受けられる講座も選択肢になる

今週は、好きな作品を1本見て、心が動いた場面を一行メモするところから始めてみてください!

脚本家ガイド

脚本家ガイド 編集部

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