ドラマの脚本家になるには?コンクールから連ドラまでの道

書き上げたドラマの脚本原稿と応募用の封筒が並ぶ机

当サイトの記事は編集部が業界団体・公的機関の公式サイトなどの公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に講座・スクールへの案内を含みます。

『テレビドラマの脚本を書く人になりたい。でも、どこから入ればいいの?』と考えていませんか。

結論から言うと、ドラマの脚本家になるには、シナリオコンクールに応募して作品を見てもらうのが、未経験の人にとって一番分かりやすい入口です。

この記事では、コンクールに出すまでの準備と、受賞したあとに連続ドラマへ近づいていく段階を順番にお話しします。

目次

ドラマの脚本家になるには?入口はコンクールが中心

先に結論

ドラマの脚本家になるための必須の資格はありません。テレビドラマの脚本のコンクールに応募し、受賞や入選をきっかけに制作側とつながる道がよく知られています。講座で学びながら応募する人も多いです。

ドラマ脚本家になるには、と調べると、色々な道が出てきて迷いますよね。

ただ、テレビドラマの世界は、作品を読んでもらうきっかけがないと名前を知ってもらえません。

だからこそ、作品だけで勝負できるコンクールが大事な入口になっているんです。

ドラマの脚本家になる主なルート

ルート内容向く人
コンクールテレビドラマの脚本の公募に応募する一人でも書き上げられる人・地方に住んでいる人
講座・スクール添削を受けて書く力をつけ、応募につなげる基礎から学びたい人・仲間がほしい人
制作の現場制作に関わる仕事をしながら書く機会を探す現場の流れを知りたい人
別ジャンルから小説・演劇・放送作家などからドラマへ広げるすでに別の書く仕事をしている人

どのルートでも、最後は「書き上げた脚本を読んでもらう」ことが入口になります。

脚本家になる道のり全体は、脚本家になるには?未経験からデビューまでの道のりでまとめています。

まずドラマの脚本家の仕事を知っておく

ドラマの脚本家は、プロデューサーや演出との打ち合わせで方向を詰めながら、脚本を書いて直していく仕事です。

『書いたらそのまま放送されるの?』と思っていると、直しの多さに驚くかもしれません。

仕事の流れはドラマの脚本家の仕事で紹介しているので、目指す前に一度のぞいてみてください。

ドラマの脚本家に向いている人

こんな人は向いているかもしれません
  • ドラマを見て「自分ならこの場面をこう書く」と考えてしまう
  • 人の会話の言い回しや口ぐせが気になる
  • 意見をもらって直すことを、面白がれる
  • 締め切りに合わせて書き上げることができる

全部当てはまらなくても大丈夫です。直す力や締め切りを守る力は、書いているうちに身についていくものなんです。

脚本家という仕事そのものは、脚本家とは?仕事内容と役割でくわしく紹介しています。

ドラマ脚本のコンクールを知っておこう

ドラマの脚本家を目指すなら、まずどんなコンクールがあるかを知っておきましょう。

ここで紹介するのは一例です。規定は回によって変わるので、応募前に最新の募集要項を確認してくださいね。

テレビドラマの脚本を募集する主なコンクール

コンクール主な特徴(過去の募集要項より)
創作テレビドラマ大賞日本放送作家協会とNHKが主催。性別・年齢・職業不問。第50回では放送時間45分の未発表オリジナル脚本を募集。大賞作品はNHKで制作・放送と案内
フジテレビ ヤングシナリオ大賞自称35歳以下が対象の回がある。20字×20行を1枚として50〜60枚、あらすじは応募フォームに記入と案内された回がある
創作ラジオドラマ大賞日本放送作家協会とNHKが主催。ラジオドラマの脚本だが、セリフで物語を運ぶ力を磨く場にもなる

ラジオドラマの公募も練習の場になる

『テレビドラマを書きたいのに、ラジオ?』と思うかもしれません。

ただ、ラジオドラマは音とセリフだけで場面を伝えるので、セリフの力を鍛えるのにぴったりなんです。

創作ラジオドラマ大賞の第54回の募集要項では、放送時間50分、20字×20行を1枚として50〜55枚とされていました。

ほかにも、テレビ局・映画祭・自治体などが主催する脚本の公募があります。

最近の募集要項で多い決まり

応募前に確かめたいこと
  • 未発表のオリジナル作品であること
  • 1人1作品までで、多重投稿は禁止
  • 生成AIを使って書いた脚本は対象外
  • 枚数・用紙の向き・縦書きなどの書式

例えば創作テレビドラマ大賞の第50回の募集要項では、海外ロケが必要な作品や時代劇は対象外、応募は公式サイトのフォームから、とされていました。

細かい決まりを読み落とすと、せっかくの作品が審査の前に外れてしまうこともあるんです。

どのコンクールから狙う?選び方の目安

『いくつもあると、どれに出せばいいか迷う』という方も多いはずです。

そんな時は、自分の目的から選んでみてください。

自分の目的選ぶ時に見る点
テレビドラマの脚本家になりたいテレビドラマの脚本を募集しているか、受賞作が放送につながるか
年齢の条件が気になる年齢の上限が決められていないか
まず1本書き上げたい締め切りまでの期間と、規定の枚数が今の自分に合うか
セリフの力を磨きたいラジオドラマのように音とセリフで伝える公募も考える

多重投稿が禁止されている公募が多いので、同じ作品を同時に複数の賞に出さないように気をつけましょう。

コンクールの選び方は、シナリオコンクールの選び方でくわしく紹介しています。

受賞後に起きること:段階ごとに求められる力

『受賞したら、すぐに連続ドラマを書けるの?』と期待しますよね。

実は、受賞はゴールではなく、ドラマの脚本家としてのスタートです。

コンクール受賞からプロット提出・単発ドラマ・連続ドラマの一部の回へと進む段階を表した図解

受賞から連続ドラマまでの段階表

下の表は、受賞のあとによくある進み方の一例を、当サイトで段階に分けたものです。決まった道があるわけではなく、人によって順番や期間は大きく違います。

段階起きることの例求められる力
1. 受賞・入選受賞作が評価され、制作側に名前と作品を知ってもらう1本を規定どおり書き上げる力
2. 打ち合わせ・プロット提出制作側から声がかかり、企画のプロットを出すことがある短いあらすじで面白さを伝える力
3. 単発ドラマや短い枠1本完結の作品や短い枠の脚本を任されることがある打ち合わせの意見をくんで直す力
4. 連続ドラマの一部の回複数の脚本家で書く作品の、いくつかの回を担当することがある全体の流れに合わせて書く力
5. 連続ドラマ全体作品全体の脚本を任されることがある長い物語を設計し、締め切りを守り続ける力

受賞作がそのまま放送につながるコンクールもあります。創作テレビドラマ大賞では、大賞作品がNHKで制作・放送されると案内されています。

段階1:規定どおりに1本を書き上げる力

最初の段階で求められるのは、決められた長さと書式の中で、物語を最後まで書き切る力です。

当たり前に聞こえますよね。でも、規定の枚数に収めながら山場と結末まで描き切るのは、思っている以上に練習が要るんです。

まずは短い作品で「最後まで書いた」経験を何本か重ねておくと、応募作にも落ち着いて向き合えます。

段階2:プロットで面白さを伝える力

制作側とのやり取りが始まると、脚本を書く前にプロットを出すことが増えます。

プロットは、短いあらすじで「この話を見てみたい」と思ってもらうための設計図です。

例えば「地方の商店街で、閉店を決めた父と、店を継ぎたい娘がぶつかる家族ドラマ」のように、一行で話の芯が伝わる形にしておくと、読む人がつかみやすくなります。

プロットの作り方は、プロット・ハコ書きの書き方で紹介しています。

段階3:直しを前向きに受け止める力

打ち合わせでは、たくさんの意見が出ます。

「主人公がなぜ店を継ぎたいのか、もう少し早く見せたいですね」
「では、1場面目で娘が帳簿を見ている姿を入れます」

意見をそのまま足すのではなく、物語の筋を崩さない形に置きかえる。これがドラマの脚本家に求められる大事な力なんです。

段階4・5:全体の中で書く力

連続ドラマの一部の回を書く時は、前後の回とのつながりや、人物の言葉づかいをそろえる必要があります。

自分の回だけが目立てばいいわけではないので、チームで1つの作品を作る感覚が大事になります。

例えば、前の回で主人公が「もう店のことは口出ししない」と言っていたなら、次の回でいきなり店のことに口を出すと、見る人は戸惑いますよね。

他の人が書いた回もよく読み、人物の気持ちの流れを引き継ぐことが求められるんです。

段階ごとのセルフチェック
  • 規定の枚数で1本を書き上げられる
  • 自分の話を一行と数行のあらすじで説明できる
  • 指摘を受けて、2日以内に直しの方向を出せる
  • 他の人が書いた回を読み、人物の口ぐせを合わせられる

受賞しなかった時にできること

コンクールは、受賞できない年のほうが多いものです。落ち込みますよね。

ただ、応募した1本は、次の作品の大事な土台になります。

結果が出なかった時の進め方
  1. 応募作を1週間ほど置いてから、自分で読み直す
  2. 退屈に感じた場面と、説明しすぎた場面に印を付ける
  3. 講座の講師や仲間に読んでもらい、意見をもらう
  4. 気づいたことを次の作品のプロットに生かす
  5. 次に応募するコンクールの締め切りを決める

結果を待つ間に次のプロットを考え始めておくと、書く習慣が途切れずに済みますよ。

ドラマの脚本家になるための応募作の書き方

ここからは、コンクールに出す1本をどう書き上げるかの手順です。

『何から手をつければいいか分からない』という方は、この順番で進めてみてください。

応募作を書き上げる手順
  1. 応募したいコンクールを決め、最新の募集要項を読む
  2. 放送時間・枚数・書式・対象外の条件を書き出す
  3. 主人公の悩みと、最後にどう変わるかを一行で決める
  4. 場面を並べたプロットを作る
  5. 柱から先に並べ、場面ごとに本文を書く
  6. 声に出して読み、時間と枚数を確かめる
  7. 数日置いて読み直し、説明しすぎの所を削る
  8. 表紙や登場人物表など、求められる書類をそろえる
ドラマの脚本コンクールに応募する作品を書き上げるまでの手順の図解

45分のドラマを書く時の目安

例えば放送時間45分の脚本を募集するコンクールなら、45分で始まりから終わりまでを描き切る構成が必要です。

脚本の量は、200字詰め(20字×20行)を1枚と数える「ペラ」で量ることが多いです。

枚数と時間の関係はセリフの量や場面の数で変わるので、書いたものを読み上げて時間を測ってみてください。

テーマは「身近な場所×人の悩み」で考える

テーマに迷ったら、自分がよく知る場所と、そこで起こりそうな悩みを組み合わせると書きやすくなります。

身近な場所起こりそうな悩みの例
地方の商店街店を閉めるか継ぐかで家族がぶつかる
離島の診療所島を出たい若者と、残ってほしい人たち
古い団地建て替えをめぐって住人の気持ちが分かれる

自分の知っている場所なら、ト書きの細かい描写にも説得力が出ますよ。

応募前の見直しチェック

応募前に確かめること
  • 規定の枚数・書式・用紙の向きに合っているか
  • 柱に場所と時間がきちんと書かれているか
  • 説明だけのセリフが続く場面がないか
  • 人物の名前や呼び方が途中で変わっていないか
  • 表紙や登場人物表など、求められる書類がそろっているか
よくある失敗

締め切り直前に書き上げて、読み直さずに応募してしまうことです。数日置いてから読むと、自分でも直したい所がたくさん見つかります。締め切りの1週間前には書き終える計画にしておきましょう。

脚本の原稿と募集要項の紙が並ぶ机の写真

ドラマ脚本の力をつける学び方

『一人で書き続けるのは心細い』と感じる方も多いはずです。

ドラマの脚本家を目指す人の学び方は、大きく独学と講座・スクールに分かれます。

講座・スクールで学ぶ良さ
  • 現役の脚本家などから添削を受けられる
  • 課題の締め切りで書く習慣がつく
  • 同じ目標の仲間と作品を読み合える
独学でつまずきやすい点
  • 自分の脚本の弱点に気づきにくい
  • 応募まで書き上げる前に止まりやすい
  • ドラマの現場に近い人と知り合う機会が少ない

業界団体の講座としては、日本シナリオ作家協会の「シナリオ講座」があります。基礎科と研修科の2段階で、教室クラスとリモートクラスがあると案内されています。

日本脚本家連盟スクールも、脚本家クラスなどを開いていて、通学・オンライン・ハイブリッドで受講できると案内されています。

日本シナリオ作家協会は映画の脚本家が多く、日本脚本家連盟はテレビドラマの脚本家が多い、と言われることもあります。

働きながら目指す時の時間の作り方

会社員など、ほかの仕事をしながらドラマの脚本家を目指す人もいます。

例えば平日は1時間しか取れない場合なら、こんな分け方が考えられます。

時間帯やること
平日の通勤中場面のアイデアやセリフをメモする
平日の夜プロットや場面表を少しずつ進める
週末まとまった時間で本文を書く
月末書いた分を読み直し、次の月の目標を決める

社会人の目指し方は、社会人の目指し方と時間の作り方でもくわしく紹介しています。

講座を選ぶ時に見る点

見る点確かめること
添削何回受けられるか、誰が見てくれるか
課題どのくらいの頻度で出るか
講師現役で書いている人か
受講形式通学かオンラインか、自分の生活に合うか
その後修了後に続けられるコースがあるか

書いた脚本をプロに見てもらうと、自分では気づけなかった直し方が見えてきます。

独学で行き詰まったら、プロの添削を受けられる講座を比べてみると、次の一歩が見えやすくなりますよ。

シナリオ講座の案内

脚本を基礎から学ぶなら、プロの添削を受けられる講座を見てみませんか

日本シナリオ作家協会のシナリオ講座は、基礎科と研修科の2段階。教室クラスとリモートクラスがあり、映画やテレビドラマの現場で活躍する現役脚本家が作品指導をすると案内しています。

無料シナリオ講座の詳細を見る

受講料・開講日程・募集状況は公式サイトでご確認ください。

講座の選び方は、脚本家の教室・シナリオスクールの選び方で目的別にまとめています。

ドラマの脚本家を目指す人のよくある相談

ここでは、ドラマの脚本家を目指す人が気にしている相談を、内容を要約してお答えします。

相談1:人気のドラマを書く脚本家と比べて、自分には才能がないと感じる

話題のドラマの脚本家が「天才」と言われているのを見ると、気持ちがしぼみますよね。

ただ、放送されている脚本は、何度も打ち合わせと直しを重ねた完成版です。

比べるなら、先月の自分の脚本と今の脚本にしてみてください。直しの回数が増えるほど、脚本は確実に変わっていきます。

相談2:芸人さんや俳優さんがドラマの脚本を書いているけど、別の仕事からでもなれる?

なれます。ドラマの脚本家に必須の資格はなく、お笑いや演劇など別の世界から脚本を書く人もいます。

会話の間合いや人物の作り方など、今の仕事で身につけた力がドラマの脚本に生きることも多いんです。

相談3:昔の名作ドラマの脚本家みたいな作品を書きたい。何から学べばいい?

好きな作品があるのは、大きな強みです。

その作品を見ながら、場面の数と順番、1話の終わり方をメモしてみてください。

メモや書き写しは自分の練習用にとどめて、公開しないようにしておきましょう。

相談4:テレビ局や制作会社で働かないと、ドラマの脚本家にはなれない?

そんなことはありません。コンクールは、局や制作会社に勤めていない人でも応募できるものが多いです。

もちろん、制作の現場で働きながら目指す人もいます。どちらの道でも、書き上げた脚本があることが一番の入口になるんです。

相談への答えのまとめ

才能や経歴より、規定どおりに1本を書き上げて応募することが先です。好きな作品から学んだことを、自分の身近な場所と人の物語に生かしてみてください。

よくある質問

ドラマの脚本家になるには何歳までに始めればいいですか?

年齢の決まりはありません。創作テレビドラマ大賞のように性別・年齢・職業を問わないコンクールもあります。年齢の条件がある公募もあるので、募集要項を確認しておきましょう。

ドラマの脚本家に学歴は必要ですか?

必須ではありません。専門学校や大学で学ぶ人もいれば、講座や独学で書き方を身につけてコンクールに応募する人もいます。

コンクールで受賞すればすぐ連続ドラマを書けますか?

すぐに連続ドラマ全体を任されるとは限りません。プロットの提出や単発の作品、連続ドラマの一部の回などを経験しながら進んでいく人が多いです。

地方に住んでいてもドラマの脚本家を目指せますか?

目指せます。コンクールの多くはフォームや郵送で応募でき、講座にもリモートやオンラインで受講できるものがあります。

時代劇のドラマを書いて応募してもいいですか?

コンクールによります。創作テレビドラマ大賞の第50回の募集要項では、時代劇は対象外とされていました。応募先の最新の規定を確認してください。

まとめ

この記事の要点
  • ドラマの脚本家になるには、コンクールへの応募が分かりやすい入口
  • 応募前に最新の募集要項を読み、枚数・書式・対象外の条件を確かめる
  • 受賞後は、プロット提出・単発・連続ドラマの一部の回と段階を踏むことが多い
  • 段階ごとに、書き上げる力・伝える力・直す力・全体で書く力が求められる
  • 独学で行き詰まったら、添削を受けられる講座も選択肢になる

まずは応募したいコンクールの募集要項を開いて、放送時間と枚数をメモするところから始めてみてください!

脚本家ガイド

脚本家ガイド 編集部

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