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会社の紹介動画や舞台の台本を作ることになり、『脚本家に依頼したいけれど、何から伝えればいいの?』と迷っている方も多いはずです。
結論から言うと、脚本家への依頼は、相手を探す前に「用途・尺・締め切り・権利・直しの回数」の5つを決めておくと、話がぐっと進めやすくなります。
この記事では、その5つをまとめた依頼シートの作り方と、依頼先の探し方、納品までの流れを紹介します。
脚本家に依頼する前に知っておきたいこと
脚本家は、打ち合わせで企画の方向や世界観を詰めながら脚本を書く仕事です。依頼する側が「何に使うのか」をはっきりさせておくほど、打ち合わせが短く済みます。
脚本家は、映画・テレビドラマ・アニメ・舞台・ラジオドラマなどの脚本を書く人です。
脚本は、人物の動きや場面の様子を書くト書きと、セリフでできています。
仕事は、プロデューサーや監督との打ち合わせで方向を決めながら進むのが一般的なんです。
脚本家の仕事の全体像は 脚本家とは?仕事内容と役割をわかりやすく解説 でくわしく紹介しています。
依頼の内容は大きく3種類
依頼といっても、頼む中身によって準備するものが変わります。
| 依頼の種類 | 例 | 依頼側が用意したいもの |
|---|---|---|
| オリジナルを書いてもらう | 会社の紹介ドラマ、地域の記念公演 | 伝えたいこと、見る人、尺 |
| 原作を脚本にしてもらう | 社史や小説を映像化する | 原作と、原作者の了解 |
| 今ある脚本を直してもらう | 劇団の台本を短くしたい | 元の脚本と、直したい理由 |
原作がある場合は、脚本にすること自体に原作者の了解が要ることがあります。
先に原作者や権利を持つ人と話をつけておくと、あとで止まらずに済みますよ。
頼む前に決める5つの項目:依頼シートを作る
ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。
『細かいことは、脚本家さんと話しながら決めればいいのでは?』と思いますよね。
ただ、決めていないことが多いほど、打ち合わせの回数が増え、直しも増えやすくなります。
用途・尺・締め切り・権利・直しの回数の5つを1枚にまとめておくと、脚本家は「受けられるか」をすぐ判断できます。全部が決まっていなくても、決まっていない項目を「未定」と書いておくだけで話が早くなります。
| 項目 | 決めておくこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 用途 | どこで誰に見せるか | 社内研修で新入社員に見せる動画 |
| 尺 | 上映や上演の時間 | 10分前後、場面は3つくらい |
| 締め切り | 初稿と決定稿の時期 | 初稿は撮影の1か月前まで |
| 権利 | 脚本を誰がどこまで使えるか | 社内上映と社外サイトでの公開 |
| 直しの回数 | 何回まで直してもらうか | 初稿のあと2回まで |

項目ごとに決め方のコツ
用途は、「誰が、どこで、どんな気持ちになってほしいか」まで書けると理想です。
例えば「新入社員に、配属先の仕事の雰囲気を知ってほしい」と書くだけで、脚本家は場面の選び方を考えやすくなります。
尺は、脚本の長さを決めるいちばんの手がかりです。
日本の脚本は200字詰めを1枚と数える「ペラ」で量ることが多く、尺が決まれば枚数の見当もつきます。
締め切りは、撮影や稽古の日から逆算して決めましょう。
依頼シートの記入例
例えば、港町の観光団体が、町の魅力を伝える短いドラマを作りたい場合なら、こんなふうに書けます。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 用途 | 町のサイトとイベント会場で、観光を考えている人に見せる |
| 伝えたいこと | 朝の漁港から夕方の商店街まで、町の一日の空気 |
| 尺 | 15分前後。場面は5つくらい |
| 出演者 | 地元の人が中心で、せりふの多い役は2人まで |
| 締め切り | 初稿は撮影の6週間前、決定稿は2週間前 |
| 権利 | サイトとイベントでの上映。ほかの使い道は都度相談 |
| 直しの回数 | 初稿のあと2回まで。超えたら相談 |
『出演者のことまで書くの?』と思うかもしれません。
実は、演じる人が慣れていない場合、長いセリフを避けるなど書き方が変わるので、分かっていることは書いておくと喜ばれます。
ロケできる場所や、使える季節が決まっている時も、ひとこと添えておきましょう。
- 見せる相手と場所を1行で書けている
- 尺がおおよそ決まっている
- 撮影や稽古の日から逆算した締め切りがある
- 脚本をどこで使うかを書き出している
- 直しの回数と、それを超えた時の扱いを決めている
脚本家への依頼先の探し方
依頼シートができたら、次は相手を探します。
探し方はいくつかあり、それぞれ向いている依頼が違います。
| 探し方 | 向いている依頼 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 知人や取引先の紹介 | 初めての依頼で、相談から始めたい時 | 紹介でも条件は書面で確認する |
| 映像制作会社や劇団を通す | 撮影や上演まで一緒に頼みたい時 | 脚本家と直接話せる場があるか確認 |
| 脚本家本人の公式サイトなど | 書いてほしい人がはっきりしている時 | 受付の窓口が書かれているか見る |
制作会社を通すと、撮影や上演までの段取りをまとめて任せられるのが強みです。
一方で、脚本家と直接やりとりしたい場合は、最初にそのことを伝えておくと行き違いが減ります。
脚本家がどんな形で仕事を受けているかは、脚本家は会社に所属する?働き方と仕事の受け方 で紹介しています。
相手を選ぶ時に見ておきたいこと
候補が見つかったら、次のところを確かめてから声をかけると安心です。
| 確かめること | 見るところ | 理由 |
|---|---|---|
| 書いてきた分野 | 映像・舞台・ラジオなどの経験 | 分野で書き方が違う |
| 長さの得意不得意 | 短い作品か長い作品か | 尺に合う人のほうが進めやすい |
| 予定 | 締め切りまでに時間が取れるか | 重なると直しが遅れやすい |
| やりとりの方法 | 打ち合わせは対面かオンラインか | 関係者の都合と合わせる |
例えば、ラジオドラマを書いてきた人は、音だけで場面を伝える工夫が得意です。
一方で、映像で見せたい場面が多い依頼なら、映像の脚本を書いてきた人のほうが話が通じやすいこともあります。
『有名な人に頼めば安心』と考えがちですが、依頼の中身に合っているかを先に見ておくのが近道ですよ。
業界団体はどんな役割?
『脚本家の団体に頼めば、紹介してもらえるの?』と考える方もいるかもしれません。
日本脚本家連盟は、脚本の著作権を管理する団体で、著作物の利用許諾や使用料の受け取りと分配などを行っています。
すでに放送された作品の脚本を別の形で使いたい時など、権利の手続きで関わることがある団体です。
団体ごとの役割は 脚本家の協会・団体とは?日本脚本家連盟と日本シナリオ作家協会の役割 でまとめています。
社内で書くという選択肢も
短い社内向けの動画や、学校行事の劇なら、自分たちで書くという方法もあります。
その場合でも、柱・ト書き・セリフの基本を知っておくと、撮影や稽古がずっとスムーズになります。
外に依頼する時も、脚本の形を知っていると、直してほしい所を具体的に伝えやすいんです。
一度きちんと書き方を学んでみたいなら、プロの添削を受けられる講座を比べてみると、次の一歩が見えやすくなりますよ。
シナリオ講座の案内
脚本を基礎から学ぶなら、プロの添削を受けられる講座を見てみませんか
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無料シナリオ講座の詳細を見る受講料・開講日程・募集状況は公式サイトでご確認ください。
依頼から納品までの流れ
依頼の流れは、相手や作品によって違いますが、大まかにはこんな順番です。
- 依頼シートを送り、受けてもらえるか相談する
- 打ち合わせで、伝えたいことや世界観を共有する
- 条件(締め切り・権利・直しの回数・報酬)を書面で取り決める
- 物語の設計図となるプロットを確認する
- 初稿を受け取り、直してほしい所をまとめて伝える
- 決定稿を受け取り、撮影や稽古に進む

いきなり脚本を書いてもらうより、先にプロットで話の流れを確かめるほうが、大きな書き直しを防げます。
プロットについては プロット・ハコ書きの書き方|脚本を書く前の設計図 で紹介しています。
最初の打ち合わせで伝えたいこと
最初の打ち合わせは、依頼シートに書ききれなかった「温度感」を伝える場です。
- 見た人にどんな気持ちになってほしいか
- 参考にしたい雰囲気(明るい、しっとり、など)
- 入れてほしい場面や、出してはいけない情報
- 誰が最終的に「これでいく」と決めるのか
特に大事なのが、最後の「誰が決めるか」です。
関係者が多いと、それぞれの意見で直しが続いてしまうことがあるんです。
窓口を1人に決めておくと、脚本家も迷わずに済みますよ。
直してほしい所の伝え方
初稿を受け取ったら、直してほしい所は関係者の意見をまとめて、一度に伝えるのがおすすめです。
例えば、こんな伝え方だと相手に伝わりやすくなります。
「3つ目の場面、主人公が先輩に相談するところで、もう少し迷っている様子が見えるとうれしいです」
「なんとなく違う」だけだと、どこを直せばいいかが分かりにくいですよね。
場面とセリフを指して、どう感じたかを書いて伝えましょう。
権利と直しの回数で行き違いを防ぐ
「社内だけで使うつもりだったのに、あとから社外サイトにも載せたくなった」「直しを何度も頼んでいたら締め切りに間に合わなくなった」という行き違いは起こりがちです。最初に取り決めておくと防ぎやすくなります。
脚本は著作物なので、どこまで使えるかを先に話し合っておくことが大事なんです。
『一度お金を払ったら、自由に使えるのでは?』と思う方もいますよね。
実は、使える範囲は取り決めしだいで、決めていないと後で確認が必要になることがあります。
- 使う場所(社内、イベント、配信など)
- 使う期間と、あとから使い道を広げる時の相談方法
- 直しの回数と、超えた時の扱い
- 使い道を広げる時に、あらためて相談が必要になる
- 直しが続いて締め切りが延びる
- 誰の意見で直すのかがあいまいになる
使い道ごとに、先に確かめておきたいことをまとめると次のようになります。
| 使う場面 | 先に確かめておきたいこと |
|---|---|
| 社内だけで上映 | 社外に出す可能性があるか |
| イベントや上演 | 上演の回数や期間、ほかの会場でも上演するか |
| サイトや動画での公開 | 公開する場所と期間 |
| 冊子などに脚本を載せる | 脚本そのものを載せてよいか |
| 続編や別バージョンを作る | 同じ人物や設定を使ってよいか |
報酬や細かな契約の条件は、作品や相手によって違うので、見積もりを出してもらって書面で確かめておきましょう。
知恵袋でよくある相談に答えます
脚本家への依頼や連絡については、知恵袋にも相談が寄せられています。
よく読まれていた相談を要約してお答えしますね。
好きな脚本家に手紙を送りたい。宛先は?
「好きなドラマの脚本家に感想の手紙を送りたいが、宛先が分からない」という相談がよく読まれていました。
脚本家の個人の住所は、ふつう公開されていません。
作品を放送した局や制作会社の視聴者窓口、脚本家本人が公式サイトなどで案内している窓口があれば、そこを使うのが一般的です。
仕事の依頼の場合も同じで、公開されている窓口から連絡するのが基本ですよ。
原作がある作品に、脚本家はどこまで関われるの?
「小説がドラマや映画になる時、脚本家や原作者はどこまで立ち入れるのか」という相談もありました。
原作のある作品では、脚本家は原作を脚本の形に組み直す脚色を担当します。
どこまで原作に沿うか、どこを変えてよいかは、原作者や権利を持つ側、制作側との話し合いで決まります。
原作を脚本にしてもらう依頼では、原作者がどこまで確認するか、変えてはいけない所はどこかを、脚本家に頼む前に決めておくと話が進めやすくなります。
よくある質問
脚本家への依頼はメールでもいいですか?
公開されている窓口がメールなら問題ありません。最初の連絡で依頼シートの内容を添えると、受けられるかどうかの返事が早くもらいやすくなります。
尺がまだ決まっていなくても依頼できますか?
相談はできます。ただ、尺は脚本の長さを決める手がかりなので、「5分から10分の間」のように幅を持たせてでも伝えておくと、話がまとまりやすくなります。
脚本の報酬はどう決めればいいですか?
作品の長さや用途、権利の範囲などで変わります。依頼シートを渡したうえで見積もりを出してもらい、書面で確かめておきましょう。
依頼してから脚本ができるまで、どのくらいかかりますか?
作品の長さや直しの回数、脚本家の予定で変わります。撮影や稽古の日から逆算して、余裕を持って相談を始めるのがおすすめです。
書き上がった脚本を自分たちで直してもいいですか?
取り決めしだいです。現場で細かく直す可能性があるなら、どこまで直してよいかを依頼の時に話しておくと安心です。
まとめ
- 脚本家に依頼する前に、用途・尺・締め切り・権利・直しの回数を決めておく
- 依頼シートに「未定」の項目を書いておくだけでも話が早くなる
- 依頼先は紹介・制作会社・本人の公式窓口などから選ぶ
- 先にプロットで流れを確かめると、大きな書き直しを防げる
- 使う範囲と直しの回数は、最初に書面で取り決めておく





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