脚本家になるための本の選び方|目的別に読む順番

脚本家になるための本の選び方を表すアイキャッチ。机に積まれた本とノート

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脚本家を目指そうと決めて本屋に行ったものの、『脚本の本ってこんなにあるの?どれから読めばいいんだろう』と手が止まった方も多いはずです。

結論から言うと、脚本家になるための本は「入門書・書式の本・構成の本・シナリオ集」の4種類に分けて、今の段階に合うものから読むのが近道です。

この記事では、4種類それぞれの役割と読む順番、読んだあとに手を動かす読み方まで具体的に紹介します。

目次

脚本家を目指す人の本は4種類に分けて選ぶ

先に結論

脚本の本は、何を学ぶための本かで4種類に分けられます。全部を一度に読む必要はなく、今の自分に足りないところに合う1冊から始めれば大丈夫です。

脚本の本と一口に言っても、中身はかなり違います。

仕事の全体像を教えてくれる本もあれば、原稿の書き方だけを細かく説明する本もあるんです。

本の種類何が分かるか向いている時期
入門書脚本家の仕事、脚本ができるまでの流れ興味を持ったばかりの時
書式の本柱・ト書き・セリフの書き方、原稿の決まり1本目を書き始める時
構成の本物語の組み立て方、場面の並べ方短い作品を書き終えたあと
シナリオ集実際の脚本がどう書かれているかどの段階でも、書く手を止めずに

入門書は「仕事の地図」

入門書は、脚本家がどんな流れで仕事をしているのかを教えてくれる本です。

企画の打ち合わせから脚本ができ、撮影や稽古に進むまでの全体を知ると、自分が何を学べばいいかが見えてきます。

選ぶ時は、専門用語に説明がついていて、最後まで読み通せそうなものを選びましょう。

書式の本は「原稿の決まりの辞書」

書式の本は、柱・ト書き・セリフの書き方や、回想や電話の場面の書き方など、原稿の決まりをまとめた本です。

最初から通して読むより、書いていて迷った時に開く使い方が向いています。

構成の本は「物語の設計図の描き方」

構成の本は、物語の始まりから終わりまでをどう組み立てるかを教えてくれる本です。

三幕構成や起承転結といった型、場面の並べ方などが紹介されています。

1本書き終えて「途中でだれる」「終わり方が弱い」と感じた時に読むと、言葉がすっと入ってきますよ。

シナリオ集は「完成品の見本」

シナリオ集は、実際に使われた脚本をまとめた本です。

書式の本で学んだ決まりが、プロの原稿の中でどう使われているかを確かめられます。

『シナリオ集って、ただ読むだけで勉強になるの?』と思うかもしれません。

実は、完成した脚本を読むと、ト書きがどれくらい短いのか、セリフがどれくらい省かれているのかが一目で分かるんです。

ドラマや映画を見るだけでは気づきにくいところなので、シナリオ集は早めに1冊手元に置いておくと役立ちますよ。

段階ごとに読む順番を決める

本を選ぶ時に迷う一番の理由は、「今の自分がどの段階にいるか」がはっきりしていないことです。

先に段階を決めてしまえば、手に取る本は自然と絞れます。

今の段階先に読む本あとで読む本読みながらやること
まだ1本も書いていない入門書シナリオ集好きな作品の場面をメモする
1本目を書き始めた書式の本シナリオ集柱・ト書き・セリフで短い場面を書く
短い作品を書き終えた構成の本シナリオ集書いた作品の場面を並べ直す
コンクールに出したい構成の本を読み返すシナリオ集募集要項の枚数で書き切る
書いても手応えがないシナリオ集構成の本気になる場面を書き写して比べる

例えば、まだ1本も書いていない人がいきなり構成の本を読むと、難しく感じて手が止まりがちです。

逆に、何本か書いた人が入門書だけを読み続けても、新しい発見は少ないですよね。

脚本家を目指す人が段階ごとにどの種類の本から読むかを示した図解

書きたいジャンルで足したい本

段階に加えて、書きたいジャンルに合う本を1冊足すと、学びがぐっと具体的になります。

書きたいジャンル本で注目したいところ
テレビドラマ放送時間に合わせた場面の配分、連続ものの組み立て
映画長い物語を最後まで引っ張る構成
アニメ絵で見せる場面の書き方、シリーズ全体の流れ
舞台限られた場所で物語を動かす工夫、会話の力
ラジオドラマ音とセリフだけで場面を伝える書き方

例えばラジオドラマを書きたいなら、目に見える情報をセリフや効果音でどう伝えているかに注目して読んでみてください。

1冊を読み切ることにこだわらない

入門書は気になる章から読んでもかまいません。書式の本は辞書のように、書いていて迷った時に開く使い方もできます。

本を選ぶ時に見ておきたいところ

『同じ種類の本が何冊もあって選べない』という時は、中身のどこを見ればいいかを決めておくと楽になります。

本屋や試し読みで、次のところを確かめてみてください。

脚本の本を選ぶ時のチェック
  • 日本の脚本の書式(柱・ト書き・セリフ)で例が書かれているか
  • 書き方の例文が載っていて、真似しやすいか
  • 練習の課題や、書いてみる手順が入っているか
  • 自分が書きたいジャンル(ドラマ・映画・アニメ・舞台など)に触れているか
  • 読んでいて言葉がすっと入ってくるか

特に気をつけたいのが書式です。

日本の脚本は、柱・ト書き・セリフの書き方に決まった慣習があり、原稿は200字詰めを1枚と数える「ペラ」で量ることが多いです。

海外の書き方を紹介する本は、構成を学ぶには役立ちますが、原稿の形は日本の慣習と違うことがあります。

コンクールに出す原稿は、日本の書式と各公募の募集要項に合わせて書くのが基本です。

買う前に図書館や試し読みで確かめる

脚本の本は、自分に合うかどうかが読んでみるまで分かりにくいものです。

『せっかく買ったのに、難しくて読み進められなかった』という経験がある方もいますよね。

まずは図書館で借りたり、書店や電子書籍の試し読みで最初の章を読んだりしてから選ぶと、合わない本を避けやすくなります。

手元に置いて何度も開きたいと思えた本だけを買う、くらいの気持ちでちょうどいいですよ。

書式の基本は 脚本の書き方の基本|柱・ト書き・セリフのルール でも紹介しています。

本を読んだら、手を動かして身につける

本を読んだだけでは、脚本はなかなか書けるようになりません。

ここが大事なところで、読んだ内容をその日のうちに手で試すことが力になるんです。

本の内容を身につける読み方
  1. 1章読んだら、その章の内容を使って短い場面を1つ書く
  2. シナリオ集から好きな場面を選び、自分の練習用に書き写す(公開はしない)
  3. 書き写した場面の柱の数と、ト書きの長さを数える
  4. 自分の書いた場面と並べて、違うところに印をつける
  5. 構成の本を読んだら、自分の作品の場面をカードに書いて並べ直す

例えば、書式の本で「柱には場所と時間を書く」と読んだとします。

それなら、すぐに「○ 離島の診療所・待合室(朝)」のように柱を1つ書いて、その場面を3行だけ続けてみるんです。

読む時間と書く時間を同じくらいにするのが目安です。

1週間の読み書きの割り振り例

平日に1時間ほど取れる場合なら、こんな割り振りが続けやすいです。

曜日読む書く
月曜本を1章その章の内容で短い場面を1つ
水曜シナリオ集を1場面自分の練習用に書き写す
金曜自分の原稿を読み返す気になったところを直す
週末読んだ章を見返す1週間の場面をつなげてみる

これを3か月続けるだけでも、書いた場面がかなりたまります。

脚本家を目指し始めた人の最初の3か月の進め方は 脚本家になりたい人が最初の3か月でやること でも紹介しています。

構成を考える時は、場面をカードに書いて並べる「ハコ書き」が役立ちます。

物語の組み立て方は 脚本の構成の基本|三幕構成と起承転結の使い分け でくわしく紹介しています。

よくある失敗

本を何冊も読んで「分かったつもり」になり、1本も書き上げないまま時間が過ぎてしまうことです。読むのは1冊ずつにして、読み終えたら短くても1本書き切ってから次の本に進みましょう。

本だけでは足りない部分はどうする?

本はとても頼りになりますが、苦手なこともあります。

それは、「自分の書いた脚本のどこが弱いのか」を教えてくれないことです。

本で学びやすいこと
  • 脚本家の仕事の流れ
  • 柱・ト書き・セリフの書式
  • 物語の組み立て方の型
本だけでは難しいこと
  • 自分の脚本の弱いところを知る
  • 直した脚本が良くなったか確かめる
  • 書き続けるための締切や仲間
脚本の本で学びやすいことと、人に読んでもらって補うことを比べた図解

例えば、こんなことはありませんか。

「書式も構成も本どおりにしたのに、読んだ人に『よく分からなかった』と言われた」

これは、本ではなく読んだ人の反応からしか見えない部分なんです。

まずは家族や友人に読んでもらい、「どこで退屈したか」「誰の気持ちが分からなかったか」を聞いてみてください。

感想を聞く時は、「面白かった?」より「どこで読むのをやめたくなった?」と聞くほうが、直しどころが見つかりやすいです。

それでも直しどころが見えない時は、脚本を読み慣れた人の添削が役に立ちます。

添削では、自分では気づけなかったセリフの不自然さや、場面のつながりの弱さを具体的に指摘してもらえるんです。

独学で行き詰まったら、プロの添削を受けられる講座を比べてみると、次の一歩が見えやすくなりますよ。

シナリオ講座の案内

脚本を基礎から学ぶなら、プロの添削を受けられる講座を見てみませんか

日本シナリオ作家協会のシナリオ講座は、基礎科と研修科の2段階。教室クラスとリモートクラスがあり、映画やテレビドラマの現場で活躍する現役脚本家が作品指導をすると案内しています。

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受講料・開講日程・募集状況は公式サイトでご確認ください。

独学の続け方は 脚本家は独学でなれる?スクールとの違いと続け方 でも紹介しています。

知恵袋でよくある相談に答えます

脚本家と本については、知恵袋にも相談が寄せられています。

よく読まれていた相談を要約してお答えしますね。

読書量が足りないと言われたけれど、本を読まないとだめ?

脚本家を目指している人が「読書量が足りない」と言われて悩んでいる、という相談がよく読まれていました。

結論から言うと、たくさん読んでいないと脚本家になれない、ということはありません。

ただ、本を読むと、人の気持ちの動きや言葉の選び方に触れる量が増えるのは確かです。

量を気にするより、「この場面はなぜ心に残ったのか」を考えながら読むほうが、脚本を書く力にはつながりやすいですよ。

脚本家になるには、本をたくさん読まないと無理?

似た相談として、「脚本家になるためには本をたくさん読んでいないと無理か」という質問もありました。

脚本家になるための必須の資格はなく、読んだ冊数で決まる仕事でもありません。

それよりも、書き上げた脚本の本数と、直した回数のほうが力に直結します。

小説やエッセイに限らず、シナリオ集を読むことも、立派な「脚本家のための読書」です。

相談から見えるポイント
  • 読んだ冊数で脚本家になれるかは決まらない
  • なぜ心に残ったかを考えながら読む
  • 本を読む時間と同じくらい書く時間を取る

よくある質問

脚本家を目指すなら、最初の1冊はどの種類がいいですか?

まだ1本も書いていないなら入門書、書き始めているなら書式の本がおすすめです。迷う時は、シナリオ集を1冊あわせて手元に置いておくと、実際の脚本の形がつかみやすくなります。

脚本家になるには本を何冊読めばいいですか?

決まった冊数はありません。4種類から1冊ずつ選び、読むたびに短い場面を書いてみるほうが、冊数を増やすより力がつきやすいです。

シナリオ集の脚本を書き写してもいいですか?

自分の練習用に書き写すのは、ト書きの短さやセリフの間合いをつかむのに役立ちます。ただし、書き写したものは公開せず、手元の練習にとどめておきましょう。

紙の本と電子書籍、どちらがいいですか?

どちらでもかまいません。ただ、書式の本は迷った時にすぐ開けるように手元に置きたい人が多く、シナリオ集は原稿の見た目のまま読めるかを確かめて選ぶと安心です。

本だけで脚本家になれますか?

本で書式や構成の基本は学べますが、自分の脚本の弱いところは人に読んでもらわないと見えにくいです。家族や友人の感想、講座の添削などを組み合わせると、上達が早くなります。

まとめ

この記事の要点
  • 脚本家を目指す人の本は、入門書・書式の本・構成の本・シナリオ集の4種類
  • 今の段階を決めてから、合う種類の本を1冊ずつ読む
  • 日本の書式で例が書かれているかを選ぶ時に確かめる
  • 読んだらその日のうちに短い場面を書いて試す
  • 本で分からない自分の弱いところは、人に読んでもらって見つける
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脚本家ガイド 編集部

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